
兵庫県 50cmメッシュデータをScanXにアップロードしてみよう
1. はじめに
こんにちは。ローカスブルー株式会社の提供する、ScanXやDeep3の開発担当の板倉です。本日は、兵庫県から提供されている3次元データ(50cmメッシュデータ)をダウンロードし、スキャン・エックスにアップロードする方法について紹介したいと思います。
2023年1月10日に、兵庫県より、兵庫県の山間部6割程度をカバーする、50cmのメッシュデータが公開されました。詳細は以下の通りです。
兵庫県では、「スマートひょうご戦略」に基づき、“自治体運営の透明化を進め、多様な主体との協働につなげる”取組を推進しています。その一環として、1mメッシュの高精度な3次元データを誰でも自由に利用できるオープンデータとしてWebサイトに公開していますが、このたび山間部について、より精度の高い50cmメッシュの3次元データを公開します。50cmメッシュとなることで、より詳細な地形や構造物の現況把握・分析が可能となり、山間部に調査に行くことと同様の調査が机上でできるため、地域課題の抽出や解決に積極的に活用されることを願っています。
本記事では、このデータをダウンロードし、そして、スキャン・エックスにアップロードする方法について紹介します。また、スキャン・エックスのアカウントをお持ちでない方も、無料体験も可能ですので、ぜひお試しください。
2. データのダウンロード
以下のページから、メッシュデータをダウンロードすることができます。また、このページに、データの利用規約も記載されています。
このページに移動すると、DSMとDTMデータのどちらかを選択することができます。今回は、DSMを利用します。

デジタルサーフェスモデル (DSM: Digital Surface Model) とデジタル標高モデル (DEM: Digital Elevation Model) について簡単に述べます。デジタルサーフェスモデルは、数値(デジタル)表層モデルなどとも呼ばれます。DSMは、地表面や建物、植生などの物体を含んだ形で、対象の高さを表現するモデルのことです。一方、DEMは、地表面のみを対象として、その高さを表現するモデルのことです。

さきほどの、DSMのページを開き、さらに、詳細⇒プレビューをクリックします。

そうすると、地図上から、ダウンロードする領域を選択することができます。好きな領域をクリックし、選択してください。複数選択することも可能ですが、その分ダウンロードに時間がかかるため、初めは1つのみ選択することをお勧めします。選択後、画面左のダウンロードのアイコンを押すと、ダウンロードが開始されます。準備が完了すると、ZIP形式のファイルをダウンロードすることができます。
⚠️ ダウンロードが開始されるまで、しばらく待つ必要があります。ダウ ンロードのアイコンを押してから、少しお待ちください。
ダウンロードしたファイルには、そのメッシュのXYZ座標が格納されたテキストファイルが含まれています。今回は、この各列をXYZ座標を持つ点とみなし、点群ファイルとしてスキャン・エックスにアップロードします。

3. スキャン・エックスへのアップロード
2章でダウンロードしたファイルをスキャン・エックスにアップロードします。ログインすると、以下のような画面が表示されます。新規プロジェクトをクリックしてください。また、プロジェクトが作られていない場合は、Create a projectというアイコンが画面中央に表示されます。こちらからもプロジェクトを作成することができます。

新規プロジェクトを押すと、その次に、プロジェクト名と日付を設定します。はじめは、その日の日付がプロジェクト名と日付に入力されています。練習の場合、変更しなくても構いません。

次に、スキャナと計測エリアを選択します。変更する点は以下の2点です。
スキャナの種類: 今回は、航空レーザ測量のデータを扱いますが、UAV LiDARを選択してください。
計測エリア: 今回のデータセットでは、山間部が多いですが、都市部に近いものも含まれます。ダウンロードしたエリアに従って選択をしてください。もし不明である場合は、「郊外」を選択してください。この選択により、植生と建物に分類される割合が変化します。
これらの選択が完了すれば、「次:座標設定」を押してください。

座標設定に関してですが、今回は、以下のように、「兵庫県」を選択してください。そして、「次」を押してください。

最後に、さきほどダウンロードしたファイルをアップロードします。1ファイルごとにアップロードすることも可能ですが、今回の場合は、ZIPファイルに複数のファイルが格納されています。このような場合は、複数のファイルのアップロードが便利です。以下のように、フォルダから、ドラッグ&ドロップをしてください。今回の場合は、そのまま「決定」を選択していただいて構いません。

⚠️ アップロードするテキストファイルに、xyz座標以外の情報も多く含む 場合は、各列の情報を指定することができます。各列に対して、ドロ ップダウンで、情報を選択してください。その列の情報が不要な場合 は、「スキップ」することも可能です。
4. プロジェクトの作成後
ファイルのアップロード後、ファイルの処理が自動的に開始されます。ファイルの処理が完了すればメールにて通知いたします。完了後に、さきほど作成されたプロジェクトを開いてみてください。メールの通知に関しては、オフにすることも可能です。オフにする方法については、ユーザーマニュアルをご覧ください。
以下の動画は、スキャン・エックスで処理が完了後、ファイルを閲覧したときの様子です。各点がうまく分類されていることがわかります。また、ベースマップと呼ばれる、3次元的な地図の上で可視化されていることがわかります。なお、ベースマップ機能はデフォルトで、オフになっているため、ご注意ください。ベースマップ機能をオンにする方法は、ユーザーマニュアルをご覧ください。

点群とベースマップ上の山の位置がしっかりと合っていることがわかります。この点群の周囲の様子と合わせて閲覧することができています。

なお、複数ファイルを同時にアップロードした場合、以下のように、いくつかのファイルが、RGB情報で示されている場合があります。その場合は、左下の点群データのレイヤーの中のファイル名をクリックしてください。そのように行うと、分類情報が表示されます。また、右側のパネルから、RGB情報に再度切り替えることも可能です。なお、本データはRGB情報が格納されていません。その場合は下図のようにグレーで表示されます。

また、ファイル名をクリックし、属性を、標高に設定すると、以下のように、高さ情報を表示させることができます。赤のように背の高い植物や建物が一目瞭然です。

また、分類表示にすると、植物や地表面、建物ごとに色分けして表示することができます。以下の図のように建物がきれいにオレンジ色で塗られていることがわかります。

また、本データは複数のファイルに分かれていますが、処理パネルから、点群合成機能を選択することで、複数のファイルを1つのファイルに統合することが可能です。

また、このように処理した点群ファイルは、上のダウンロードボタンからダウンロードすることができます。また、分類を行った場合は、欲しい分類情報を持つ点のみをダウンロードすることも可能です。

5. まとめ
本記事では、兵庫県から提供されている3次元データ(50cmメッシュデータ)をダウンロードし、スキャン・エックスにアップロードする方法について紹介しました。
ダウンロードしたファイルをドラッグ&ドロップで簡単にアップロードでき、さらに点群分類もキレイに行うことができました。今回紹介した機能や使い方以外にも、樹木解析機能やノイズ除去機能などが利用可能です。ぜひ、スキャン・エックスにアップロードしてみてください。