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iPhone LiDARの撮影のTips

1. はじめに

こんにちは、ローカスブルー株式会社の開発担当の板倉です。前回の記事では、iPhone LiDAR で取得した、点群データをスキャン・エックスにアップロードする方法について紹介しました。

iPhoneやiPadに搭載されたLiDARは便利ですが、きれいな3Dモデルを取得するには、練習してコツをつかむことも重要です。本記事では、うまく撮影するためのコツを紹介したいと思います。
なお、うまくiPhoneやiPadのLiDARで 計測する方法はこちらの記事も非常にわかりやすかったです。本記事では、以下に紹介するScaniverseというアプリの公式ページで紹介されているコツを和訳してみたいと思います。

先述したように、iPhone (iPad) LiDARのアプリとして有名なものに、Scaniverseが挙げられます。無料で利用でき、かつ使いやすく、きれいな3次元モデルを生成することができます。

以下のページからダウンロードすることができます。

ScaniverseのHPによると、以下のiPhoneやiPadの機種が対応しています(2023年1月6日に確認)。
iPhone

  • iPhone 14 / 14 Plus / 14 Pro / 14 Pro Max

  • iPhone 13 / 13 Mini / 13 Pro / 13 Pro Max

  • iPhone 12 / 12 Mini / 12 Pro / 12 Pro Max

  • iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max

  • iPhone XR / XS / XS Max

  • iPhone SE (2nd and 3rd generation)

iPad

  • iPad (8th generation and later)

  • iPad Air (3rd generation and later)

  • iPad Mini (5th generation and later)

  • iPad Pro 12.9" (3rd generation and later)

  • iPad Pro 11" (all generations)

例えば、以下の動画は、Scaniverse を利用して、取得した3D(メッシュ)モデルの例です。
(NoteにアップロードできるGIFの容量の都合で、動画が粗くなっています。実際のアプリ上ではよりきれいに見えます。)

また、Scaniverseで取得した3Dモデルを自動的に解析するアルゴリズム(プログラム)を筆者が作成し、定期的にtwitterにも投稿しています。
以下の例では、樹木の幹の周長を、Scaniverseにて計測した3Dモデルから計算した結果を示しています。正解の値は63.1cm、予測値は65.7cmでした。2.6cmの誤差で、直径にざっくりと換算すると(÷3.14)、1cm以下の誤差であると考えられます。見た目だけでなく、長さの情報も正確に取得できてることがわかります。

また、以下の例は、倒木をScaniverseで取得し、自動的に各樹木を分離した結果です。地面に横たわった樹木をきれいにスキャンし、独自の手法でセグメンテーション(各樹木を分ける)することができました。樹木の境界部分もきれいに自動分離できています。例えば、流木調査にて、LiDARとこの解析を合わせて、寸法情報の予測や、RGB情報を用いた樹種判別等ができればよいなと思いました。

このように、手軽にキレイな3Dモデルを、iPhoneやiPadで取得できるようになってきました。以下のページに、うまくスキャンするコツが書かれています。今後、よりよいモデルを取得するために、このコツを和訳し、勉強していきたいと思います。

2. うまくスキャンするときのコツの和訳

先述したScaniverseのページに書かれている、「コツ」は以下の通りです。

1 .スキャンする対象物やエリアの周辺をどのように移動するか、事前に計画を立ててください。できるだけ障害物がなく、見通しのよい道を確保してください。
(筆者追記:一度スキャンするボタンを押す前に、移動する様子を頭の中で一度シミュレーションし、スキャンを始めるのがいいと思います)


2 .スキャンするものの大きさに合わせて、スキャンサイズ(小、中、大)を選びます。これでスキャナの範囲が設定され、背景に余分なコンテンツが写り込まないようにすることができます。また、スキャン画面の「範囲」ボタンを押すことで、手動でスキャン範囲を設定することもできます。
(筆者追記:以下の図のように、”Range(範囲)”と書かれているボタンにて、スキャンする奥行きを調整することができます)

3 .スムーズに移動するよう心掛ける。iPhoneやiPadの向きを急に変えたり、ぶつけたりしないようにしましょう。スムーズな移動により、各フレームを紐づける処理の精度が向上します。
4. 撮影する場所が明るいことを確認してください。もし、暗い場所でスキャンする必要がある場合は、ゆっくりとスムーズに移動することが重要です。
5. 撮影中に表示される縞模様は、まだスキャンする必要があるエリアを示しています。しかし、全ての縞模様を消すようにスキャンする必要はありません。
6. スキャン中に記録ボタンの右側に表示される一時停止ボタンを押すと、スキャンを一時停止することができます。再びそのボタンを押すとスキャンが再開されます。
7 スキャンしたデータの処理後、クロップツール(「編集」→「クロップ」)を使って、不要な部分を切り取ります。例として、以下の動画を参照してください。

3. まとめ

この記事では、ScaniverseのHPに記載されている、うまくスキャンするコツの和訳を行いました。iPad/iPhone LiDARは非常に有用ですが、うまくスキャンするために練習やコツも必要です。私もここで紹介したコツを念頭に置いて、スキャンする練習に励みたいと思います。

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